「無い袖は振れない」と思っているあなたが狙われる。
こんにちは。
まちなか山小屋研究所のちちです。
いわゆる田舎の地方都市で、山小屋暮らしを満喫することを目指すアラフォーです。
今回は家を建てる時に、良くあるスリラーです。
(いやスリラーと言っても、幽霊が出る、みたいなオカルトの話ではないのでご安心ください)

コレジャナイ。
「予算はいくらでお考えですか?」
家を建てようと思えば、いずれかの段階で必ず話すことになる「予算」。
早く言えば、いくらなら出せますか?ってことです。
貯金したお金で建てようと思っている人、
住宅ローンを組もうと思っている人、
親と共同名義や相続をアテにする人、
おそらく誰でもだいたいの可能額を計算するはずです。
(よっぽどお金が有り余ってる人は別ですが)
たいていの人は・・・
2500万円の貯金があったら、家具がほしいとか、後で使うかも、とかで
家そのものは2000万円くらいで思うかも知れません。
でも「予算は2000万円です」って言い切って、
(そんなんで建つわけねえだろ、この貧乏人が!)なんて顔されたら怖いので、
「2000万円で建てるのは難しいですかね?」なんて言っちゃったりして、
その結果(お、余裕残してるねぇ)なんて思われるワケです。
そして、必ずこう返ってきます。
「もちろん、その値段で建てるのは可能です!(キッパリ)。」
さらに、
「でも、いろいろお聞きしていくとアレもコレもつけたくなって、すぐにオーバーしてしまう方も多いので、もう少し余裕があった方が良いかもしれませんねえ(笑顔)」
・・・あー、やっぱり。
「まあ、足りなければその分だけくらいなら借りたりできないこともないので・・・」
ってなって悩んだ顔をしたら、もうあなたは異次元に足を踏み入れています。
「じゃあ、とりあえず入れたいオプションを入れて、いらなければそこから削っていきましょう」みたいな、なんだか変な雰囲気になって、
気がつくとどんどん大きなプランになっていくわけです。
どんどん!ですよ。

わーっ! はじけるぅ。
そして。
しばらくすると自分の夢がカタチになった、すてきな見積もりが届きます。
でも、価格は3200万円あたりかな。
うーむ、高い。こんなはずじゃなかった。
待ってください。
このお話は、『建築費用が想定以上に高くなってしまった』ってところが、怖いんじゃないんです。
まあ往々にしてそれも起こるんですが、当然無い袖は振れないので多くの方はハッと気づきます。
「うわー。冷静に考えて、そんなの払えるわけねえじゃん。」

袖なし。
んで、青い顔して、ハウスメーカーや建築家に『やっぱりムリだ』と相談に行くわけです。
すると(想定通りに)オプションを削る話になります。
サッシをLow-E&樹脂枠から普通のペアガラスに、無垢在の床から合板フローリングへ、
木の外壁から樹脂サイディングへ、檜のお風呂からユニットバスへ、
庭と駐車場の外構はとりあえず全部モルタルで、ってやってもらうと、
2800万くらいになってくるでしょうか。
「おー、これなら自分の小遣い削れば何とかなるかなあ」なんて思うわけです。
夢から覚めて・・・
で、この納得したはずの見積内容を、
家に帰ってじっくり眺めてるうちにまたハッと気づきます。
「あれ? これ建売住宅と変わんなくね?(ガビーン(T_T))」
しかも建売より高いし、今さらハウスメーカー変えるなんてもう間に合わない。
でも自分たちの希望が入ったデザインだし、間取りも建売じゃこうはいかない。
と、自分を納得させて、値引きをお願いしながらそのまま進んでいくわけです。
いったん、理想のカタチを見せられてからのカット、カット。
ホント、身を削がれる思いです。

これぐらい残念な気持ちになっちゃいました。
希望に満ちあふれて始まったはずなのに、もう気分はショゲショゲです・・・。
これから建てる人へのアドバイス
これから家を建てようと思っている方に、ぜひやってみてほしいのは、
できれば(の話ですが)、必要最低限の内容で見積を出してもらって、
そこから予算の余裕を見て、各部分のグレードを上げていく方法。
これだと、徐々に夢に近づいていく気がして、家づくりプランが楽しくなるはずです。
僕も、もし次の家づくりのチャンスが訪れたなら、必ずそうします。
ま、ハウスメーカー側にも営業のセオリーがあってなかなかそうはいかないでしょうが・・・。
そんな僕が、ショゲショゲになった後で楽しいライフスタイルをプランに盛り込んでいったのは、またのお話。